すだち 神山の古木
2009年 06月 01日
すだちの古木の管理者(持ち主)である、橋本純一さん(77)に古木までご案内していただき、すだちの花や古木の写真撮影、そしてお話しを聞くことができました。
古木に到着。 一見でわかりました。おー、この木だ。 1,000本程あるすだちの木のなかでも、存在感が違う。どうどうとした、見上げる木。
古木と聞いていたので、幹が傷ついているような木を想像していたが、違う。 枝もしっかりと横にはり、この夏に収獲予定の実がたくさんついている。
古木の枝を傷めないように分け入り、幹を見せていただいて、感動。 幹がつやつやとし、うっすらとコケがついている。
200年以上もこの地に根付き、昭和の大寒波(-10℃が3日続いた。)にも耐え、今なお香りのいい「すだち」の実がなるとのこと。
この樹齢200年以上の古木になる「すだち」の特徴は、実生(みしょう)から育てられた木で、また標高200mの盆地にあるため、寒暖の差が大きく、他の産地のすだちに比べ皮の香りが非常に強く、すだち本来の風味がある。
そのため、本物のすだちの香りを求め、そのほとんどが東京や大阪の高級料亭へと旅立っていくそうです。
現在の古木がある近くには、江戸・元禄の頃より栽培されていた樹齢300年と推定される古木がありました。が、残念ながらこの古木は先の大寒波で枯れてしまいました。
古木の前にある看板に、平成11年1月に神山町・名西郡農業協同組合より、次のとおり指定されました。
◆推定樹齢 約200年
◆樹高 6.5m
◆幹回り 1.2m
◆樹幹下面積 78.5㎡
◆平年結果量 350kg
この古木の周りには樹齢50年以上のすだちの木が1000本程あり、また栗やゆこうの木もあります。
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すだちの木の違いについて
すだちの木には、実は大きく分けて2種類あります。実生(みしょう)ともう一つは、接ぎ木。
○実生(みしょう)とは・・・・・
すだちの種を発芽させ、苗を育て、その苗を木まで大きく育て、実をならせます。
よって、「すだち100%」のため、すだちの特徴を継承し、風味・香りとも本来の『すだち』で、
木には鋭いトゲがあります。
また、すだちには表年・裏年があるため、その年に採れる数量が安定しません。農家泣かせです。
上記の古木はこの実生の木です。
○接ぎ木とは・・・・・
多くのすだちは、ジャキチ(唐橘・からたち)や柚の木を台木とし、その台木にすだちを接ぎ木します。そのため親の台木の特徴をもつ
『すだち』が誕生します。